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運輸区主席助役駅員
【風の鉄路 〜かぜのてつろ〜】

風の鉄路 〜かぜのてつろ〜

風の鉄路 〜かぜのてつろ〜

かつてそこには人々が集い
街の賑わいと発展に貢献した鉄道路線が実在した…。

今も記憶の中にだけ実在する幻影の鉄道路線…

過ぎ去った時の流れを辿る想いでの路線。
脳裏に焼き付いた記憶
それは一陣の風の様に時を経たいま、再び幻と共に旅人の心の中に走り抜ける『風の幻列車』と言う名の鉄道路線。

さあ…『風の幻列車』に飛び乗って…心の旅に出掛けよう。

  運輸区主席助役

1/29^20:38[編集]
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運輸区主席助役駅員

風の鉄路 〜かぜのてつろ〜
 《特別編》

光明電気鉄道 この名称を知る読者は少ないと思う。

また、筆者にとってもこの鉄道の名称は余り馴染みがない。

それもその筈で筆者が産まれる遥か前の鉄道だからである。

1928年(昭和3年)頃に部分的に開業した当時大変珍しい電車が走る私鉄路線だったのである。

大正時代に会社が設立されて、当時の鉄道としては極めて希な日本の標準軌1.067oと架空電車線方式で建設が開始された。

計画では、中泉(現在の東海道本線の磐田駅)から、天竜川東岸を通り

飯田線に接続連絡させ
信州まで延伸させる中部縦断鉄道線と言う壮大な計画があった。

しかしながら開業から僅か5年位で会社が破綻し、電気料金滞納で昭和10年1月21日に全線で営業休止になり廃線となった。

路線跡は野辺(現在の天竜浜名湖鉄道の豊岡駅)付近から、天竜二俣駅の区間が当時の鉄道省二俣線建設の際に、敷設用地としてそのまま転用された。

途中にある伊折トンネルと神田トンネルは現在でも天竜浜名湖鉄道の車両が走り抜けている。

また、天竜二俣駅構内からすぐ近くには光明電気鉄道のホーム跡が新所原寄りに今もはっきり残っている。

また静岡県磐田市内にも、路線跡が道路建設の用地転用された関係から、光明電気鉄道線の跡をかなりの距離で辿る事が出来る。


後書きに変えて一言述べさせてもらうなら「鉄道の歴史」は、知れば知るほど奥が深く実に面白い。


風の鉄路 〜かぜのてつろ〜
 運輸区主席助役

5/10^16:03[編集]
運輸区主席助役駅員

風の鉄路 〜かぜのてつろ〜
   (第二章のA)

1987年当時 『国鉄再建法』が制定された頃に、大きく揺れ動いたひとつの地方交通線が存在していた。

その制定で…第二次廃止対象特定地方交通線なる、鉄道の良さに目覚めたばかりの筆者にとっても…
いや、多分当時の対象線に指定された沿線住民でさえも、耳慣れない言葉であったに違いない。

国の法律の影響下で、日本に点在する鉄道網であった「日本国有鉄道」が、それぞれ地方線区ごとに第一次、第二次、第三次にと、選り分けられて、指定されていった。

その第二次に指定されていた国鉄広尾線が国鉄分割民営化を待たず、廃止になったのは

1987年(昭和62年)2月1日の事だった…。

北海道の帯広市 帯広駅(根室本線)から分岐して…
十勝平野を南下しながら広尾郡広尾駅迄の総延84qの路線であった。

全線で非電化、単線のいわゆるローカル線ではあったが、鉄道輸送全盛期には広尾線内にも季節臨時で準急が走っていた時期もあったと言う。

単線ではあったが、途中列車交換可能駅が5つ存在していた。
大正駅、中札内、上更別、忠類、大樹である。

起終点駅を含めて言えば、全線で17の駅が広尾線に存在していたのである。

古い文献には《改正鉄道敷設法 別表 第133号に規定する胆振國苫小牧ヨリ…日高國浦河、十勝國廣尾ヲ頸テ帯廣ニ至ル鐵道…》
と、あり…
広尾線はその一部として開業していた路線であった。

1929―1932年にかけて帯広から広尾迄が開業したようだが、西側開通には以前から営業していた軽便鉄道ニ社を買収して延長していった。

様似から広尾間については『国鉄バス えりも線』が、人々の足として繋いでいた。

昭和4年11月2日
帯広―中札内駅間開通
昭和5年10月10日
大樹駅迄開通
昭和7年11月5日
広尾駅迄開通

当時の土木技術などから推測してもかなりの短期間で鉄道が開通している事になる。
それだけ、地元沿線では人々の期待を集め、少しでも早い鉄道開業を待ち望んでいたに違いない。

現に広尾線の旅客意外の輸送動向としては、沿線の特産物輸送にかなり貢献していた。

やがて道路が整備され、モータリーゼーションにより鉄道の貨物や荷物輸送は少しづつ衰退してゆく様になった。

風の鉄路 〜かぜのてつろ〜
 《第二章のA》
  第二のBへ続く
 運輸区主席助役 著

2/1^11:11[編集]
運輸区主席助役駅員

風の鉄路 〜かぜのてつろ〜
  (第二章のB)

廃止を目前に控えていた
国鉄広尾線の晩年は1日6往復の列車が運転されていた。
総延長84qの距離を約2時間で結んでいたその路線では

キハ22と言う気動車が約40q/hでゆっくりと走っていた事になる。

待ち時間が終日二時間もあると、やはり不便な鉄道だったのかも知れない。

そして…遂に、国鉄広尾線に
その瞬間が、やってきた。

1987年2月1日、JRに引き継がれる事はなく営業最終日を迎えたのである。

筆者は残念ながら広尾線には一度も訪れてはいない
しかし、当時の鉄道 旅番組に広尾線最終日を収録した番組があったと記憶している。

最終列車の別れを惜しむ地元住民に溢れたプラットホームから…長い汽笛を鳴らして走り去る汽動車の乗務員

見送りの人々や、駅職員に敬礼していた列車乗務員…
笑顔で有りながらも、流れ落ちた涙の滴が今もはっきりと筆者の瞼に焼き付いている。

廃止になった国鉄広尾線の幾つかの駅舎は、現在鉄道記念公園に整備されて保存されている。

中でも広尾駅舎は
旧国鉄広尾線記念館として整備され、公開されている。

駅舎内部には当時のポスターや、改札出札業務に使用した鉄道用具などが展示され
広尾線で走っていたキハ22形気動車や貨車、車掌車などが保存されているとの情報を聞いている。

また、愛国駅でも広尾線で開業当時活躍した9600形蒸気機関車がホーム上に停車した形で保存されており
あたかも現役当時の姿を彷彿とさせる演出である。

幸福駅舎も現存して、近くに土産屋があり復刻版であるが当時のデザインの切符を販売しているらしい。

お値段は時が止まったかの如く廃止当時のままであると言う。

筆者にもチャンスがあったら是非訪ねてみたい鉄道遺構である。

風の鉄路 〜かぜのてつろ〜
  (第二章B 完)
2011年2月1日
運輸区主席助役

2/1^10:52[編集]
運輸区主席助役駅員

風の鉄路 〜かぜのてつろ〜

今でも筆者(運輸区主席助役)が、悔やまれる事がある
筆者が鉄道の事が好きになり…ある程度自分の収入を得て、それを自由に使用出来る範囲の中で独自に計画を立て、興味を抱いた鉄道路線に向けて旅に行き初めてから数年が経過していた頃。

今よりもよりずっとたくさんの鉄道路線が日本国内には存在していた。

それは所謂…廃止鉄道線である。

筆者の記憶が確かならば十数年前に…日本全国で廃止された鉄道の廃線跡を訪ね歩く『鉄道廃線跡の旅』が雑誌やマスコミ等で脚光を浴び始めたと思う。

筆者にとっても、少ない予算内で計画した鉄道路線(旅行の計画当時は実在していた)への探訪には、困難を伴い実現不可能と言う限度があった。

それでも筆者は、遠くは青森県野辺地(廃止前の路線探訪意外では北海道小樽も訪れてはいる)や、
岡山県にも行き、京都府丹後地方へも行き当時走っていた地方私鉄に会いに行った。

南部縦貫鉄道…同和鉱業片手上鉄道…加悦鉄道等である。

また、それより少し前には地元路線で国鉄だった清水港線にも何度となく訪れては写真を撮影し
自ら列車に乗車して、列車に揺られ…地元の人と語らい…鉄路の軋みを聞きながら旅をした。

しかしながら、予算や余暇調整が成り立たずにやむ無く一度も訪れてはいないまま廃止されて涙を飲んだ鉄道線がいくつもあった。

現役の姿を何も知らない鉄道路線が存在する。
当時のままの名称で言うと、国鉄ならば、美幸線、赤谷線、日中線であるが
私鉄でも岩手開発鉄道や、別府鉄道(べふてつどう)などがあり、正直名称を忘れている鉄道路線もある。

いくら惜しんでみても、川の流れの如く過ぎ去ってしまった時の流れは二度とは戻らない。

ただ、中には幸運な事に
その鉄道を愛してやまない有志の方々により施設や鉄道車両等が保存管理されて

今でも大切に保管されている廃止鉄道線の車両や施設が実在する。
そしてその廃止鉄道の跡を訪ねれば、かつて実在した鉄道路線の面影が目の前に現れて

一陣の風が背中から駆け抜けるその時に…
かつて実在した鉄道車両の幻(幻影列車)が私の胸中を駆け抜けて行く錯覚におそわれる気がする。
耳を澄ませば…遠く見えるあの山の彼方から、鉄路独特のジョイントの響きが脳裏にはっきりと浮かびあがる。
そして再び列車の汽笛を鳴らしながら一陣の風と共に走り過ぎて行く。

時は過ぎて…
存在そのものは遠く消え去っても
筆者の心の中には今なお確実にその鉄道路線は走り続ける。

今、この瞬間にも…筆者が訪れるその時を
ホームで待っていてくれるに違い無いからである。

 運輸区主席助役

1/29^20:57[編集]

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