1/2ページ目 「先にシャワー浴びていい?」 おどけたような口調だが、その表情はどこかぎこちない。だがそれを気にしないようにして、アキラは小さく頷いた。イグラを出てからずっと待ち続けていたリンが、自分の所に帰ってきてから一ヶ月。暫く会っていなかったリンは、ひどく大人びていて自分の知らない・・・他人のようだった。それでも帰ってきてから何度か寝たが、いつも暗闇の中。それはリンが自分の事を気遣っているのだと分かっている。リンは足の切断された部分を、見せたくないのだろうと思っていた。 だが本当にそうなのだろうかと、最近は妙に引っかかる。さっき見たおどけた口調とは裏腹なぎこちない表情を思い出しアキラは妙な胸騒ぎを覚えた。明るかったリンに、あんな表情をさせているのだと思うと胸が痛む。リンにはいつも笑っていて欲しい。あんな表情をさせたいのではない。リンが嫌いな訳でなく、むしろ綺麗になって大人びたリンに戸惑っている自分を知られたくなくて素っ気ない態度を取っているのが情けなくなる。そんなアキラの感情を微妙に感じているのか、リンはあまり無理強いしない。 昔に比べたら、そんな所も随分と大人びたように思う。でもそんなリンを好きになった訳じゃない。いつまでも意地を張っている場合じゃないと漸く思えるようになってアキラはリンの後を追うように、浴室へと向かった。服を脱ぎ捨てて中に入ると、気配を感じたリンが慌てて振り返った。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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