novel

+KISS...ver.丹七+
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「哲也さん、起きて下さい。」
キングサイズのベッドの上で気持よさそうに眠る丹羽の顔を覗き込みながら声を掛ける。
「ん・・・」
僅かに声を漏らしただけで自分の方へと寝返りを打った丹羽を見て七条は苦笑した。
ベッドの縁に腰掛けたまま、安眠を貪っている丹羽にそっと口づけた。
「哲也さん、起きて。もう時間ですよ。」
仕事が忙しくて、数時間しか寝てない丹羽を起こすのは可哀相だとも思ったが、今日も仕事があるので仕方ない。
七条は丹羽の耳許に口を近づけて、もう一度声を掛けた。
「哲也さん、そろそろ起きないと間に合いませんよ。まさか僕の作った朝食を食べずに出掛けるとか言わないでしょうね。」
しっかりと聞こえるようにはっきりと少しだけ声を大きくして言うと漸く丹羽が目を開けた。
「眠い。今何時だ?」
「6時です。2時間位しか寝てないですね。」
「そう思うならもう少し寝かせてくれ。」
「ダメです。でも僕が目を覚ましてあげます。」
丹羽の唇を自分の唇で挟みながら何度かキスを繰り返し、丹羽が七条を抱きしめようとした所で離れると、それを追うように丹羽の体が起き上がる。
「ほら、ちゃんと起きられたじゃないですか。」
「臣・・・」
小悪魔の笑みを浮かべる七条に肩を竦めて見せながら、丹羽は自分からもう一度だけキスをした。

fin

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